Analyst Watch[アナリストウォッチ]

住宅アナリスト「松沢 博」氏に聞く最新の住宅事情
白は本来は秋の季語

クリスマスツリーにサンタの贈り物、ケーキに七面鳥とクリスマスも間近、雪が降り積もる冬は白が似合う季節です。ただ「白」は古来の日本では秋の季節用語で、「白秋」ともいいます。

中国の古代の陰陽五行思想が起源で、白は本来色の無い透き通るようなものを指し、秋は無色透明な寂寥感を漂わせる季節とされています。
そのため俳句の季語おいて「色なき風」は秋を指します。澄み切った大気の中を吹き渡る風は爽やかで、透明感を感じさせるからです。
クリスマスという西洋文明ともいえる現物主義では白は冬のイメージですが、姿の見えない「風」に白を感じる精神文明ともいえる東洋思想では白は秋をイメージさせます。

大量生産・大量消費により物をたくさん持つことが幸せの象徴である20世紀の西洋文明から、里山の「色なき風」に幸せを感じる和文化に時代が返っているような気がします。

高気密・高断熱、24時間換気された家で過ごすクリスマスが、今の一般的風景ですが、古民家で厚着でいろりを囲み、鍋をつつくのは「粋な」風景です。

太陽光発電+コジェネレーション(熱電併給)によるゼロエネルギーハウスを国土交通省は推進していますが、私は古民家の再生が日本らしい地球環境に配慮した住宅政策だと思います。

機能・コスト優先ではなく、「環境と共に住むことの幸せ」を感じることのできる注文住宅が、今の時代として求められている住宅ではないでしょうか。

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